- 2026年4月13日、プランブリーで2.5kgのアオリイカを仕入れ
- 水揚げ当日の晴天、氷締めで港へ
- 港から加工場まで10分以内に搬入
- 刺身フィレ加工後、真空パックで-30℃急速冷凍
- 胴長はおよそ40cm前後、身は締まっている
プランブリーから届いた1杯の記録
2026年4月13日、プランブリーの港から1杯のアオリイカが届きました。プランブリーはホアヒンから車で約20分の町です。重量は2.5kg。私がこの数年で扱ったアオリイカの中でも、上位に入るサイズです。
この日は晴れ。漁師からの連絡は朝早い時間でした。写真を見た瞬間、胴の厚みでサイズが分かりました。すぐに港へ向かいました。
アオリイカという種類について
アオリイカは日本でも人気のあるイカです。タイの海域でも獲れます。学名はSepioteuthis lessoniana。ヒレが胴全体を覆うように広がる形が特徴です。
今回の個体は胴長が約40cm。タイ湾のアオリイカとしては大きい部類に入ります。通常私が仕入れるサイズは0.8kgから1.5kg程度。2kgを超える個体は月に数杯しか入りません。
身の状態
届いた時点で身は締まっていました。色は透き通った乳白色。墨袋も破れていません。漁師の扱いが丁寧だった証拠です。
水揚げの状況
漁場はプランブリー沖。GPS座標は北緯12.41度、東経99.97度付近です。水深は浅場から中層。アオリイカはエギか活きエビで狙います。
この日は早朝に出船し、午前中に水揚げ。船上で氷締めされた状態で港に戻ってきました。氷締めは身の透明感を保つための基本的な処理です。
店に届くまでの流れ
GYOTAKで扱う魚は、すべて同じ流れで処理しています。
水揚げ後、漁師は船上で氷締め。港で購入後10分以内に加工場到着、刺身フィレに処理して真空パック後急速冷凍。
アオリイカの場合、加工場で内臓と墨袋を丁寧に取り除きます。胴は開いて軟骨を除去。ゲソは別パックにします。真空パック後、-30℃の冷凍庫で急速凍結します。
なぜ急速冷凍するか
ゆっくり凍らせると、氷の結晶が大きくなり、細胞を壊します。解凍時にドリップが出て、身質が落ちます。-30℃で一気に凍らせることで、結晶は小さくとどまります。
サイズ別の処理の違い
2.5kgのアオリイカは、通常サイズとは処理の手順が少し変わります。胴が厚いので、刺身用に開く際も慎重に包丁を入れます。
- 胴の背側と腹側を分ける
- 皮を4層すべて丁寧に剥がす
- 用途別にブロックで真空パック
大型の個体は1杯から複数のパックが取れます。今回の2.5kgからは刺身用ブロック、ゲソ、エンペラに分けました。
タクヤの視点
アオリイカは私がタイで魚屋を始めた頃から扱ってきた魚です。最初の頃は日本人のお客さんから「タイのイカは身が薄い」と言われることがありました。
実際に調べてみると、漁師の扱いと処理の速度で、身の状態は大きく変わると分かりました。港から加工場までの10分が、イカの場合は特に重要です。
2.5kgという数字は、私にとって記録です。この1杯がどの食卓に届くか。それは読者の判断に委ねます。私の仕事は、港から冷凍庫までの流れを崩さないこと。それだけです。
プランブリーの海と、漁師の手仕事。今日もその先に、1杯のイカがあります。